漢民族舞踊
中国人の92%を占める漢族は、中国全土に広く暮らしています。
中国の方に『你是什么民族?(あなたは何民族ですか?)』と訊けば、ほとどの方が『漢族!』と答えてくれるでしょう。
横浜の中華街や、神戸の南京街も、漢族の民族文化をもって創られています。
漢族の民間舞踊は、他の民族と比べて、数多くの種類があります。
代表的なものは、龍舞、獅子舞、灯舞(提灯のような道具を使う舞)、绸舞「チョウ舞」(長いシルクのリボンや布を使う舞)、秧歌舞「ヤンコ舞」(田植え歌から進化し農作業の合間や祭りの際に踊られた舞)など。
同じ漢族でも生活範囲が広いため、踊りは地域によって異なり、大きく分けると「北」と「南」にそれぞれ特徴をうかがえます。
北の踊りは、長いシルクリボンやハンカチのような道具を使い、舞踊はたくましく情熱に溢れた雰囲気です。
※2014年発表会演目:「好日子」(良き日々) ※2015年公演演目:「小看戯 (シャオカンシー)」(観劇の道中)
一方、南の踊りでは灯や扇を用い、優美で丁寧な趣があります。
ちょうど中間にある淮河huaihe(わいが)など中原の踊りは、南北のよさを兼ね揃えており、使う道具も右手にハンカチ、左手に扇など。
他の民族の影響を受けた踊りもあり、東北の秧歌舞には満族の文化もうかがえます。
※沂蒙山小唄 (イモンサンのこうた) 2015年公演演目
漢族は旧暦を採用しており、旧暦のお正月「春節」の時期には、爆竹が鳴り響くなか、華やかな漢族の踊りをいたるところで見ることができます。
日本にある中華街でも、一番熱い時です! 日本でもこの時期を狙って中華街へ出かければ、漢族の踊りを見ることができますよ。
参考資料:舞蹈鉴赏(西北工业大学出版社)
Written by Iku Matsuda