ウイグル舞踊
中国の北西、ユーラシア大陸の中央付近に、ウイグル族が暮らす新疆ウイグル自治区はあります。
ウイグルと聞いてピンとこなくても「シルクロード」をご存じの方は多いと思います。そう、新疆ウイグル自治区は、かつてシルクロードの中継地だった地域。今でもウイグル族は、アラビア文字を表音文字として使い、イスラム教を信仰している人も多くいます。東洋的でエキゾチックな世界です。
ウイグル族は、目鼻立ちのはっきりとした中央アジアの民族らしい顔立ちで、情熱的で明るい性格です。遊牧生活によって培われた独特の文化を持ち、カラフルな衣装をまとって、歌や踊りを楽しみます。これらが得意なことから「歌と踊りの郷」とも呼ばれています。
ウイグル族の舞踊は、古代西域舞の精華、多彩な形式、独特な風格を吸収して生まれたものです。古代オルハン河流域文化と、天山ウイグル族の伝統を受け継いでいます。特に頭部と手、腕の運用に長けています。頭部の揺れや腕の翻し、手を打つ動作など、変化に富んだ動作が多くあります。
首を持ち上げ、胸を張り、腰を立てるのが基本姿勢。背中を使って身体全体で上へ立ち上っていくような感覚を生み出し、ウイグル族の高貴なプライドや社交的な性格を表現します。また、眼や眉を使い、顔の表情の変化によって感情の交流を顕著にあらわします。
腰を柔軟に使うことで、身体を思いきり反らしたり、猛スピードで回転するなど、思わず目を見張るような技巧も多くありますよ。
主に 「賽乃姆舞」「萨玛舞」「刀郎舞」「纳孜尔库姆舞」などの舞踊があります。
ウイグル族は花を好み、衣服や帽子にはよく花の刺繍がされます。女性用の鮮やかな柄のワンピースや、花の刺繍の入った帽子は、とても美しいですよ!
イスラム教を信仰するムスリムですから、男性は髭を伸ばし、モスクへ通います。イスラム教の祭りも民間行事も行い、イスラム教上のタブーを守り、豚肉などは食べません。
ところで、讃岐うどんのルーツは、この新疆ウイグル自治区にもあるそう! ウイグル族の麺料理は、日本のうどんと似ているんですよ。
参考資料 《舞蹈鉴赏》西壮工业大学出版社
written by Meilin & IkuMatsuda